エヌ・シー・エヌ(NCN、東京都港区)が5月13日に発表した2022年3月期の決算発表によると、2022年3月期の連結経常利益は前年比29.7%増の4.1億円となった。2023年3月期も前期比10.0%増の4.6億円を見込んでおり、3期連続で過去最高益、増益となった。
一方、事前の同社予測値では連結経常利益を4.2億円としていたため、1.2%程度下回る水準となっている。
NCNの連結経営成績(累計)は、売上高が85億7100万円(対前年同期比:33.3%増)、営業利益3億9600万円(40.1%増)、経常利益は4億1900万円(29.7%増)、親会社に帰属する純利益は3億500万円(35.4%増)だった。
住宅事業では、世界的な木材不足と価格高騰が起こる中、構造計算と材料供給の一体型サプライチェーンによって、SE構法による住宅構造の出荷は1473棟、売上高は72億4000万円(対前年同期比31.7%増)を記録。同社における過去最高売上高を大きく更新した。また、SE構法登録施工店は新規で53社加入し、現在577社(対前年同期比5.7%増)となっている。
大規模木造建築(非住宅)事業では、新型コロナウイルス感染症による公共工事等の工期延長が続く中、売上高8億6600万円(対前年同期比51.1%増)を記録している。また、積極的なセミナー活動によって、新規依頼件数は535件(対前年同期比28.0%増)、2020年設立の子会社木構造デザイン(東京都港区)の展開するプラットフォーム事業への参加会社が20社となっている。
そのほか、開発・サポート部門においては、2021年4月より説明が義務化された「住宅の省エネ性能」に対して、木造住宅に特化した戦略をとっている。木造住宅における一次エネルギー計算書の出荷は、1615棟(対前年同期比56.2%増)となり、住宅の省エネルギー化政策の追い風を受けた格好だ。木造耐震設計事業との相乗効果を発揮し成長した。
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