日本商工会議所と東京商工会議所(ともに三村明夫会頭)は4月27日、「人手不足の状況および従業員への研修・教育訓練に関する調査」の集計結果を公表した。人手不足の状況はコロナ感染拡大直前の水準まで戻り、建設業では7割以上が人手不足と回答するなど厳しい状況が浮き彫りになった。
調査は、全国の中小企業6007社を対象に、今年2月に実施。3222社から回答を得た(回答率:53.6%)。このうち、建設業は508社が回答。
人手が「不足している」と回答した企業は全体で60.7%となり、前年同時期(2021年2月)調査と比べて16.3ポイント増加。コロナ感染拡大直前の水準(2020年2~3月、60.5%)を上回り、人手不足の状況が戻ってきていることが伺えた。業種別では、建設業は75.6%で運輸業(79.4%)に次いで多く、深刻な状況にある。
人手が「不足している」と回答した企業に対応方法を聞いたところ、「正社員を増やす」72.3%のほか、「社員の能力開発による生産性向上」35.9%、「IT化、設備投資による業務効率化・自動化」35.4%、「業務プロセスの改善による効率化32.1%など、生産性向上・業務効率化に取り組む企業が多かった。
従業員に実施している研修・教育訓練については、「日常業務の中での教育(OJT)」(75.6%)が最も多く、次いで、「外部主催の研修・セミナーの受講」(57.3%)、「業務に関連する資格の取得奨励」(51.0%)と続く。
実施の目的のうち、「デジタル等新たな知識・技術の習得・活用」との回答は30.6%。業種別で見ると人手不足感が強い「建設業」は34.8%で、情報通信・除法サービス業の49.1%に次いで2番目に多く、同じ人手不足感が強い「運輸業」の17.0%を大きく上回った。
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