東京商工リサーチ(東京都千代田区)は5月12日16時時点で、新型コロナ関連の経営破たん(負債1000万円以上)が、全国で累計3258件にのぼると発表した。月ごとの件数は4月まで100件超えが15カ月続いているが、5月は12日時点ですでに51件となっており、深刻な状態が続いている。倒産集計の対象外となる負債1000万円未満の小規模倒産は累計167件判明。この結果、負債1000万円未満を含めた新型コロナ関連破たんは累計で3425件に達した。
負債1000万円以上の新型コロナ関連破たんの累計の内訳は、倒産3115件、弁護士一任・準備中143件。業種別累計を見ると、建設業は工事計画の見直しなどの影響を受け354件となり、3月31日(11時時点)から25件増えた。
また、4月の負債1000万円未満の企業倒産42件のうち、コロナ破たんは14件(前年同月比3件増)で、構成比は33.3%(前年同月29.7%)と初めて30%台に乗った。産業別では最多のサービス業22件に次いで建設業が11件と2番目に多い。
東京商工リサーチは、コロナ関連の支援策について、「事業規模を問わず多くの企業に浸透し、企業倒産の抑制に大きな効果をみせた」としつつも、4月は負債1000万円未満だけでなく、1000万円以上の倒産も増加していることから、「支援効果の一巡を印象付けている」とした。さらに、支援策の副作用で過剰債務を抱えた小・零細企業は多く、「売上回復が遅れるほど経営体力は疲弊する」とした。
また、経済活動が活発化すれば、運転資金の確保も経営課題に浮上するほか、アフターコロナへの対応に伴う資金需要も発生すると指摘。企業支援策は引き続き拡充されているが、業績不振の長期化で過剰債務に陥った企業は増加しているため、「息切れやあきらめによる脱落に資金難も加わり、コロナ破たんは当面、高水準で推移する可能性が高い」との見通しを示した。
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