総務省は5月10日、2021年家計調査の貯蓄・負債編を公表した。2人以上世帯の貯蓄現在高は平均1880万円で3年連続の増加となった。前年比で89万円増、5.0%の増加となり、比較可能な2002年以降で最多。中央値は1104万円だった。一方、負債現在高は569万円で、前年比で0.9%の減少となった。中央値は1233万円。
勤労者世帯では、貯蓄が1454万円で、前年に比べ76万円、5.5%の増加。負債は856万円で、前年に比べ5万円、0.6%の増加となっている。
二人以上の世帯の貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると、貯蓄現在高の平均値を下回る世帯が約3分の2(67.6%)を占め、低い階級に偏った分布となっている。貯蓄の種類別では、通貨性預貯金は584万円で前年に比べ28万円増(5.0%増)加で、13年連続の増加となっている。 定期性預貯金は615万円で、前年に比べ8万円増(1.3%増)で、7年ぶりの増加。そのほか有価証券も増加した。
二人以上の世帯に占める負債保有世帯の割合は37.7%。負債保有世帯の平均値(1505万円)を下回る世帯が55.1%を占めている。
負債の種類別に負債現在高をみると、90.5%を占める住宅・土地のための負債は513万円で、前年に比べ5万円減(1.0%減)となっている。
世帯主の年齢階級別に純貯蓄額(貯蓄現在高-負債現在高)をみると、50歳以上の各年齢階級では貯蓄現在高が負債現在高を上回っている。60~69歳の世帯の純貯蓄額は2323万円と最も多い。一方50歳未満の世帯では、負債現在高が貯蓄現在高を上回り、負債超過となっている。負債保有世帯の割合は40~49歳の世帯が63.7%と最も高く、40歳以上の世帯では年齢階級が高くなるに従って割合が低くなっている。
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