タカラスタンダード(大阪市)は5月12日、2022年3月期決算を発表をした。売上高は2115億円、前期比10.6%増となり過去最高を記録した。営業利益も144億円で前期比31.6%増と過去2番目となる大幅な増益となった。コロナの影響を受け減収減益となった2021年3月期から大きく回復しただけでなく、売上高、営業利益ともにコロナ前の水準を大きく上回った。
新築・リフォーム共に好調に推移した。特にリフォームは、在宅時間の増加と、それに伴って遊興費が抑えられ、その分がリフォーム需要に回るなど、コロナ禍における消費者行動の変化を受けて大きく伸長。ホーローを中心としたリフォーム商材の強化や、首都圏・大都市圏での販売強化策の成果もでた。リフォーム全体では前期比15.5%の売上増となった。ホーローシステムキッチン「レミュー」や鋳物ホーロー浴槽「プレデンシア」などの中高級シリーズを中心に同社のフラッグシップモデルが好調だった。資材価格の高騰の影響を受けたものの、これらの比較的利益率の高いリフォーム向け商品が大きく伸びたことで利益率も押し上げた。また、web会議が定着するなどデジタル化が進み経費削減ができたことも利益率の上昇につながった。
渡辺岳夫社長は、今後のリフォーム需要の伸びを見据え、現在の売上構成比(約3割)を「約5年後をめどに5割まで引き上げたい」とした。また、資材価格高騰による商品価格への転嫁については、「年に何度も価格改定することは考えていない。このため、価格に転嫁できるのはコスト上昇分の半分程度。取引先へ迷惑をかけるわけにはいかない」と、工務店やビルダーなどの取引先の負担に配慮した。基本的に値上げは年一回とし、商品のリニューアルに合わせたり、時間をかけて取引先へ丁寧な説明を行ったうえで調整を行っていくとした。
2022年3月期は、売上は2.8%増の2176億円、営業利益は14.8%減の123億円を見込む。資材高騰がより深刻になるとして減益予想とした。
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