ライフデザイン・カバヤ(岡山市)がプロトモデル化に着手していた「CLT中高層建築」で、このほど6階建てCLTビルの設計実証が完了した。引き続き、実施設計に向け実証を行っていく。シンプルで汎用性の高い構造のため、CLT建築の経験がない中小工務店や設計事務所でも6階建て以下のCLT中層建築のプランニングが可能になるとして今後、同社が運営するCLTフランチャイズネットワーク「日本CLT技術研究所」の加盟企業への積極的な展開を図る。
同プロトモデルは、CLTの一部使いや他構造との併用ではなく、主要構造部をCLTで構成する。1~3階建ての低層建築向けの同社オリジナル工法「LC-core構法」の“コア”の考え方を生かし、6階建てCLT建築を実現した。片持ちコア構造を採用し、ひとつのコアにおける負担可能な床面積により、基本的な設計をシステマティックに行えるとする。
また、同プロトモデルでは、フランジ部分に薄いCLTパネルを使った複合床スラブを開発し、10mの無柱空間の設計を可能とした。今後、6~12mのスパンに対応できる汎用性の高い複合スラブの開発と、1時間耐火、2時間耐火の大臣認定取得を目指す。
同プロトモデルは、まだ材料費は高いのが現状だが、RC造と比較して、建て方の日数や構造躯体重量を大幅に削減できるため、人件費・施工費の削減が期待できるという。また、建築材料製造時のCO2発生量を大幅に抑えられるため、環境への負荷を減らすことができる。
なお、同プロジェクトでは、10階建てのプロトモデル化も計画しているという。
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