新電力・太陽光発電システム製造のアンフィニ(大阪府堺市)は昨年9月に東京地裁に民事再生法の適用を申請していたが、PV事業のスポンサー選定に至らず、4月13日付で東京地裁から再生手続き廃止決定を受けた。今後、破産手続きに移行する。負債は、民事再生法の適用を申請した時点で約86億8700万円。
「Japan電力」ブランドでの新電力(PPS)事業を主体に、発電所事業や太陽光発電システムの製造販売事業を手がけていた同社は、2017年3月期には年売上高約165億9700万円を計上。ニーズに対応した発電モジュール製造を手がけるため、「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」(約48億円)などを活用して約75億円の投資を行い、2017年7月に福島工場(福島県双葉郡楢葉町)を開設。同年10月に本格稼働していた。
だが、2018年以降は中国製の太陽光発電機器の余剰在庫が流入したことで市場価格が急落したため、福島工場の製品は価格競争力を失い、大幅な在庫を抱えた。さらに、2020年12月以降の電力市場高騰で電力調達コスト負担が増加し、大幅な欠損を計上。資金繰り改善に努めたものの自主再建を断念し、民事再生法の適用を申請していた。
PPA(第三者所有モデル)事業はファラデー(大阪市)が、PPS事業はおトクでんき(現・Japan電力、東京都豊島区)が、それぞれ吸収分割で事業承継。福島工場のPV事業もスポンサーを募っていたが、再生計画策定に必要な弁済原資を確保できるだけのスポンサーを選定できず、今回の措置となった。
今後、太陽光発電設備のメンテナンス(O&M)事業はジャパンホームズ(大阪府堺市)が事業承継する予定。
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