東京商工リサーチは4月25日、2021年「全国社長の年齢」調査の結果を公表した。調査を開始した2009年以降で最高の62.77歳となり、「調査開始から毎年、平均年齢は上昇をたどり、社長の高齢化が鮮明となった」とした。その上で、社長の高齢化に伴い業績悪化が進む傾向がみられると指摘。高齢の社長は、進取の取り組みが弱く、成功体験に捉われやすいことや、長期ビジョンを描きにくく設備投資や経営改善に消極的になる傾向があるため、事業承継や後継者育成も遅れ、「倒産や休廃業・解散にも直結しやすく、今後の動向には注目が必要」とした。
調査は、東京商工リサーチの企業データベース(約400万社)から2021年12月時点の代表者の年齢データを抽出、分析した。
2021年の社長の年齢分布は、70代以上の構成比が32.7%で、3年連続で構成比が最も高かった。50代は構成比が24.1%で上昇が続いているが、30代以下、40代、60代は構成比が前年を下回った。
社長の年代別に企業業績をみると、社長の高齢化に伴い増収率が下がる傾向がみられる。直近決算で「増収」は、30代以下が47.9%で最も高い一方、70代以上は32.4%と最も低い。70代以上は「赤字」や「連続赤字」の構成比が最高となっている。
2021年に休廃業・解散した企業の社長の平均年齢は、71.00歳で、2年連続で70代になった(前年70.23歳)。休廃業・解散した企業の社長の年齢別分布は、70代以上が62.7%(前年59.7%)で、2017年の50.2%から12.5 ポイント上昇している。30代以下の構成比は0.91%(同0.98%)で1%を下回っている。
都道府県別では、社長の平均年齢の最高は秋田県の64.91歳(前年64.13歳)。以下、高知県64.88歳(同64.25歳)、長崎県64.19歳(同63.33歳)、山形県64.13歳(同63.67歳)、岩手県64.10歳(同63.70歳)の順。最年少は3年連続で広島県61.45歳(同61.23歳)だった。
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