日本政策金融公庫の新型コロナウイルス関連融資に関連して、遠山清彦・元公明党衆院議員が違法な仲介を繰り返し行っていた問題について、日本政策金融公庫が4月26日、事情の確認等の調査結果を公表した。
議員等紹介案件については、いずれも「通常の案件同様、適切に対応していることを確認」しているとした。ただし、無用なトラブルを避けるため、融資判断の内容を丁寧・的確に伝えるといった〝議員等紹介案件に対する事務対応〟を、支店職員等に周知していた点について、「特別の対応をしているかのごとき、疑念を持たれたことも事実」とし、〝議員等紹介案件に対する事務対応〟は廃止するとしている。
公庫による事情の確認では、「議員等から審査結果の報告を要請されるケース」や、「お客さまよりも先に結果報告を要請されるケース」があることなどを踏まえ、〝議員等紹介案件に対する事務対応〟を、支店職員等に対し周知していたという。
具体的には、▽秘密保持義務や、金融機関として求められる顧客情報保護の 観点から、顧客から事前に情報開示の同意を取得する点を徹底すること、▽顧客から情報開示の同意を取得する際には、担当課長等が行うこと、▽議員等紹介案件は融資を断らざるを得ないものも相当に存在するため、議員等や顧客との無用なトラブルを避け、円滑な事務運営を行うために、議員等や顧客へ融資判断の内容を丁寧かつ的確に伝える必要がある――といった対応を周知していたという。
こうした対応は、「議員等との接触があまりなく、対応に不慣れな支店職員等が、適切かつ円滑な対応ができるよう、適切な指導を行うという点で必要な措置」だったとしている。ただし、「このような対応が、別の観点からみると、議員等紹介案件に対し、特別の対応をしているかのごとき、疑念を持たれたことも事実」と結論付けた。
今後は、●議員等から支店の窓口担当者の名前について照会があった場合には、支店の担当部署・電話番号のみを案内する。●議員等から結果報告等の連絡を求められた場合には、事前・事後を問わず、結果報告等は行わず、顧客本人にのみ結果報告等を行う――としている
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