日本最大級のエクステリア専門展示会「エクステリア×ガーデンエキシビジョン2022」が4月15日から2日間、幕張メッセホール(千葉市美浜区)で開催された。主催者によると来場者数は合計8019人。工務店や建築事業者向けに最新製品や新技術が続々と提案された。同展示会に出展した注目度の高い主要メーカーの動向をリポートする。
LIXIL、熱を感じにくい人工木デッキ「デッキDC」
リクシル(東京都品川区)は、熱伝導率の低い樹脂素材と独自の新技術「独立気泡構造」を取り入れ、夏場の炎天下でも熱さを感じにくい人工木デッキ「デッキDC」を5月2日より全国で発売する。同製品は「暑い日にデッキが熱くなり、使いづらい」という人工木デッキの不満を解消し、天然木のように熱く感じにくい仕様にした。
熱伝導率の低い樹脂素材と独自の新技術「独立気泡構造」を基材部と表層部に取り入れ、熱く感じる原因の「熱伝導率」と「熱容量」を抑制。従来の人工木デッキよりも、約4℃熱く感じにくいデッキを実現したという。
施工性にも優れている。デッキ表面に溝を施し、表と裏どちらも、意匠面として使用できる。デッキの重量を従来よりも軽量化したため、施工時の負担が軽減されたほか、2900N/m2も対応可能になったため、より幅広い場面で使用できるようになった。
デッキDCの実験動画▶︎【現地リポート】LIXIL 新製品「デッキDC」実験
同展示場で4月15日に行われた記者発表で同社エクステリア事業部エクステリア商品開発部部長の榊原正さんは「人工木デッキの市場は2011年から2021年にかけて1.8倍に伸びている(日本エクステリア工業会出荷統計)」とし、同製品の売り上げは昨対比2倍の目標設定をするなど、今後さらに提案を強化していく製品群のひとつだとした。
YKK AP、トレンド押さえた
建物×外構 まるごとデザインを提案
YKK AP(東京都千代田区)は、同展示会のテーマに「建物×外構 まるごとデザイン」を掲げた。トレンドの黒色を基調に木調アクセントを施した商品や、ナチュラルでエレガントテイストの住宅に合う白木調の商品、住宅外構を引き立てファサード空間のアクセントとなる新シリーズなどを展示した。
4月1日に発売した次世代スタンダードカーポート「エフルージュ FIRST 600タイプ」や、持ち出し式で奥行4尺サイズを実現したバルコニーとバイザーをはじめとする「ルシアス」シリーズ、ファサードからテラスまで敷地全体で快適な空間をデザインする「リレーリア」シリーズなどを、実物大の家とコーディネイトをあわせて提案した。
同社担当者は「2021年度の業績ではエクステリア事業で売上高を伸ばした。雪害や台風の影響でカーポートの売上げが大きく寄与する結果となった。なかでも折半カーポートに関しては150%と好調だ。2022年度はエクステリア事業の売上高を前年比117%の目標としている」と語る。
三協アルミ 自由度の高いカーポート続々と
三協アルミ(富山県高岡市)は、敷地条件などに合わせてエントランスを空間設計できる「U.スタイル アゼスト」に新しく追加した「セレクトラインタイプ」などを提案した。
同製品は柱や梁の長さ、角度を敷地の条件に合わせて設定できるもので、広い間口の敷地からL字などの変形敷地まで、さまざまな敷地形状に合わせた展開などに対応している。
同社担当者は「カースペースに対してカーポートを設置するという従来の考え方から、製品のアップデートによって意匠や空間設計を重視した自由度の高い設計でアプローチするという流れに変わった」と認識を述べた。
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