松尾和也さん流エコハウス設計メソッドを毎月10日号でお届けする本連載。今回は、“耐久性4大問題”の中から「軒ゼロ」について解説していただきます。
今回は耐久性4大問題の最後である軒ゼロについて解説します。雨漏りは窓まわりで多いものです。しかし、その窓まわりも軒があるのとないのとでは漏る確率に大きな差があります。ある瑕疵担保責任法人が調査した結果は、軒の出が壁芯から15~25cm未満の部位での雨漏りの確率はそれ以上の軒の出に比べて5倍も高かったと出ています。実際に築1年程度で[写真1]のようになる事例が発生しています。
そもそも屋根のルーフィングは上棟日に施工を終えてしまうことが多いです。壁下地の合板等はそれより数日以上後になります。そして、その後、透湿防水シートの施工が行われます。軒ゼロ住宅ではこの施工時期が異なる屋根のルーフィングと透湿防水シートの重ねをきちんと確保することが絶対条件となります。雨漏りリスクはそれで随分軽減できます。それでもこれをまじめにやるほど湿気は抜けにくくなるという矛盾を抱えています。ここで壁と屋根の取り合いに通気金物を取り付ければ雨漏り対策と湿気対策が両立できます。
しかし、暴風雨時にはこの通気金物が逆効果となって雨漏りを招くことがあります。通気金物には暴風時の雨漏りリスクにかなりの差があります。いつも紹介している[写真2]のハウゼコ製の通気金物(軒ゼロ用の軒先対応金物はデネブ)は、全製品35m/s以上の暴風雨にて実験しているので安心感が高くなります。
しかしながら・・・・・
この記事は定期購読者限定の記事です。続きは、『新建ハウジング2021年3月10日号 11面』に掲載しています。
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