新建ハウジングプラスワンの連載から、株式会社ベーシック代表・田原裕子さんの「若手経営者に考えてほしい[本当の]経営戦略」の第4回を抜粋して紹介します。今回のテーマは「売らない営業担当者は解雇すべきか~営業教育とフレームワークの欠落~」。
今回の要点
①フレーム(形・基本)がなければ人は育たない
②各社ごとに、自社に必要なフレームワークを構築する
③PDCAを回せば、全社が活性化し、組織が変わる
経営者の皆様から、「家をよく売る営業マンを知らないか?」「どうすれば売れる人材を採用できるか?」という相談を受けることがあります。
「売れる営業を雇いたい」という気持ちは十分理解できますが、実は、こんなふうに「他力本願」の考え方をしているうちは、経営は決して安定しません。
「他力本願」というのは、裏返すと、「自力では解決できない」ということです。
雇った営業マンが「売れるか、売れないか」は、「当たるか、外れるか」という「博打」のようなもの。「必ず売ってくれる」という保証などありません。
また、かなり高額の報酬を提示して採用した営業マンであっても、「採用面接では、『自分は絶対売る自信があります!月1棟など軽いものです』と言っていたのに、全然売らない。口先ばかり困ったものだ」と立腹される経営者の姿を、これまで数えきれないほど見てきました。
本人に問いただしても、「以前いた会社の家は売りやすかったが、この会社の家は売りにくい…」というような、まことしやかな理由が返ってきます。
社長は不満をため込むが、代わりに採用できる営業マンも見つからず、仕方なく雇い続け泣く泣く給料を払っている…といったケースも少なくありません。
奇跡的に良く売る営業マンを雇えたとしても、その人が辞めれば即ゼロに戻ります。「他力本願」では、しょせん経営の根本的改善にはつながりません。
売らない営業は解雇すべきか
あるリフォーム会社では営業担当者を常時8人ほど雇用していますが、その中で、3カ月以上続いている担当者は、わずか1人だけです。
理由をたずねたところ、中途入社1カ月目だという30代後半の担当者は・・・
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。