家具製作と大工技術を学ぶ
今度は転職はしなかった。その代わりに岐阜県高山市にある木工房のオークヴィレッジが主宰する森林たくみ塾に入学した。授業料・報酬なしでオークヴィレッジの仕事を手伝い、木工技術を学ぶ2年制の職人養成学校だった。高山市は古い町で、古くてつくりのよい木造住宅が数多く残る。重黒木さんは自然と古民家などにも惹かれていった。そして、卒業と同時にオークヴィレッジ建築部に大工の見習いとして入社した。
当時の同社では、フリーランスの大工が棟梁となり、その下に社員大工がサポートとして現場に入るやりかたをとっていた。重黒木さんはまず穴あけから始め、やがて刻みを担当するようになった。墨付けは仕事の合間に親方のやり方を見て、見様見真似で覚えた。上棟にも参加し、建物の棟が上がるとボード張りなどをこなした。
この職場には1年間勤めて退社した。遠方の現場が多く、竣工するまで現地で泊まり込みになるためだ。重黒木さんは25歳で結婚していて、森林たくみ塾のころから高山市に妻と暮らしていた。自分の家の雪かきもできない状態では、妻の負担が大きすぎた・・・・・
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続きは『新建ハウジング・2020年9月20日号』(2020年9月20日発行)6面に掲載しています。
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