戸建て住宅の場合、外構や植栽は後回しになりやすい。実際には建築と一体で取り組むことで、予算をそれほど掛けずに外観や眺望が大きく変わる。地域性を意識したシンプルな外構と植栽設計のポイントについて、37design(サンナナデザイン、鹿児島県日置市)の味園将矢さんに聞いた。
住宅を依頼された場合、同社は必ず外構まで手掛ける。概算見積もりの段階で「最低でも150万円は掛かります」と伝えて予算を確保する。工事費の内訳は駐車場30万円、アプローチ30万円、板塀30万円(1万円/m)、敷地に撒く砂利5万円、庭(植栽や石など)50~60万円だ。
その価値を設計段階から建て主に伝えるため、外構図をしっかり描き、植栽設計が確定した後に建て主と畑に庭木を見に行く。庭木を植えるときに立ち会ってもらう。植木屋から維持管理の手法を伝え、剪定を依頼しやすい人間関係をつくる。ちなみに同社は外構と庭の施工を植木屋と土木・基礎屋で行う。植木屋は畑をもつ生産者と組んでいる。樹種選定の際には植木屋の意見をよく聞くようにしている。
外構や庭の工事の7~8割は土木的な工事だ。土の掘削とコンクリートが扱えることが必須となる。その上で庭木や石に詳しい施工者が最適だが、非常に稀だ。現在は意欲的な土木・基礎屋と組んでノウハウを蓄積中だ。
アプローチの考え方続きを読む▶︎
Pages: 1 2
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。