一番以外は覚えていない
我々のお客様に限らず、消費者が覚えているのは、一番だけです。経営者が覚えているのも一番だけ。一番だけがマスコミに取り上げられ、話題に上ります。
普段自分が関心のないこと、関係のない分野の二番・三番は誰も知りません。
だから「ローカル・ニッチ・トップ」になりましょうと言っているのです。
ローカルな、つまり自分の商圏の中で ニッチな、つまり何でも良いからある分野の中で、トップ、一番になることを。
そうすればあなたが必要とするお客様につながる可能性が出てきます。
最大のポイントは二番じゃないことです。これなら一番になれる、そう思ったらそれを突き詰める。
気密・断熱性能、デザイン、サービス、本当に何でも良いのです。まったく同じというわけではないですが、いわゆるランチェスター戦略、ブルーオーシャン戦略とも親和性が高い考え方かもしれません。
自分の商圏で自分の市場を作る、もしくは見つける。決して全面トップは狙わない。得意分野で一点突破を図る。
何が何でも何かで一番になるために重要なのは、ニッチで競合のないところを見つけることです。これは言うは易し行うは難し、です。
ブルーオーシャン戦略を我々工務店の実践レベルにすると、ランチェスター戦略になります。あなたの得意なところで、勝負しましょう。
なぜならば、我々工務店はメーカーに対して、決して強者ではないからです。弱者には弱者の戦略があります。自分の得意分野を見つけて、何が何でも何かの一番になる。なぜなら「一番とその他大勢」が世の仕組みです。
今年はロンドンオリンピックが開催されます。オリンピックに出場してもメダルをもらってない選手のことは、覚えていないでしょう?オリンピックに出場できるというだけでもアスリートとしては超々エリートなのに、みんなが覚えているのはメダリストだけです。]
実際、金メダリストとそうでない人々との能力差は、数値的にはほとんどありません。トップとボトムの差はほんの少しです。でも金メダリスト以外は、人々の記憶に残っていない。
オリンピックで金メダルを取るのは大変なことですが、我々は、メダリストになる必要はありません。ただその状況から、学ぶことができます。自分の場所で何かの「一番」になれば、注目してもらえることを。
群衆心理学に因ると、人は自分で判断できないことについては無意識にリーダーを求めます。何かで一番であるということは、その何かにおけるリーダーであると宣言するようなものです。
もちろん他人を納得できるだけの内容が伴っているのが前提ですが、それで初めて注目してもらえる。だから差は僅差だとしても、「一番とその他大勢」という扱いになるのです。
ローカル・ニッチ・トップになる。それを発信する。そうすると、自分の欲しい仕事が入ってくるようになります。
あなたが欲しいのは、自分の得意分野を生かせる仕事のはずです。あなたは何ができるのか、とりわけ何が得意なのか。それを磨き上げてお客様に対してアピールしましょう。
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