施工管理を機能させて「現場崩壊」を防ぐには、営業から着工までがスムーズに流れる仕組みづくりが重要になる。15人の現場監督で年間220棟の住宅を手掛けるアルプスピアホーム(長野県松本市)社長の石田正也さんに、平準化の仕組みや監督の評価制度について聞いた。
着工スケジュール平準化の重要性
現場が荒れる根本的な理由は、営業から契約~着工までのスケジュールが平準化されないこと。
通常、営業の進め方は担当者で異なる。担当者はスケジュールをブラックボックスにして自分に都合よく調整する。
➡着工を平準化できず、契約や着工が一定期間に集中したり空いたりする。
着工が一定期間に集中すると効率的に現場を回せず、工期の遅れやミスにつながる。最終的には着工棟数に影響する。
➡これを解決するには担当者全員が同じプロセスで営業し、経過を見える化するとよい。
営業~着工のプロセスを統一する
同社では双六のように一方向に同じプロセスを辿る営業の仕組みをつくり、進捗シートにまとめている。
各フェーズで見込み客と打ち合わせて決めることや作成する資料などを決めてチェックリスト化。各フェーズのチェック項目をすべて満たさないと次に進めない。
➡営業と同様に監督にも引継ぎから着工までの進捗シートを設定。営業も現場もこの進捗シートをもとに動く。
これらはピアコムというシステムで一元管理。敷地調査や設計提案などの各フェーズの日付を全社員で共有。進捗シートに引き渡し予定日を入力すると、逆算して自動的に各フェーズの日付が入る。
➡その日付に従って担当者は動く。日付は担当者が記入できないようになっている。
見込み客にもプロセスを記した資料を渡す。流れを共有することで、いつまでに何を決めるかを意識して動いてくれる。
➡進捗シートの赤字は期日までに履行したことを示す。期日を超えると黄色になり、上司が状況を確認する。
見込み客のランク付けも重要
着工の平準化には、さらに遡って見込み客のランク付けをルール化するのが有効だ・・・
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この記事は、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン2021年6月号/スマート経営に必須の補助金・助成金活用ガイド/施工管理の標準化~「現場崩壊」を防ぐ6つの処方箋~』(2021年5月30日発行)P.140~147に掲載しています。
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