木造住宅には多様な構法や工法がある。伝統構法をベースにした古民家は石端建てや土壁の建物が多く、在来構法と同じやり方で耐震や断熱改修をやろうとしてもうまくいかない。古民家リノベ経験豊富な自然派ライフ住宅設計代表の大沼勝志氏に耐震と断熱改修の勘どころについて聞いた。
上部構造評点は0.7に
◉伝統構法は建物下部は石端建てで基礎がない。(図1)柱や梁などの接合部は仕口・継ぎ手でつなぎ、建物全体に足固めや貫を通した多接点構造だ。大地震の際には部材同士のめり込みで揺れを吸収しつつ一定の変形を許容することで倒壊を防ぐ
◉耐震改修の際にはこの特性を失わないように基礎補強はせずに壁量も過度に増やさない。上部構造評点は0.7に留める。ただし壁配置のバランスには注意する(図2)
◉建物を耐力面材などでがちがちに固めると大地震の際に柱頭柱脚に引き抜き力が発生して接合部が破壊されたり、柱が折れるなどの危険がある
◉上記の考え方に基づき構造計算ソフト「ホームズ君」を用いて限界耐力計算により安全性を検証
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