建物を大切にする農家ではリノベの需要が高い。古民家は移住者にも人気があり、地域によっては高値で売れる。古民家などの農家づくりの住まいを暮らしやすい間取りに変えるリノベならではのプランニングの手法について、自然派ライフ住宅設計の大沼勝志氏に勘どころを聞いた。
リノベにおけるプランの進め方
◉建て主は高齢の親の寝室や水回りに関しては既存の配置を希望する傾向がある。(図1)第三者的に見ると非効率な動線でもそれに慣れている当人は不都合さに気づいていない
◉既存の間取りに囚われる一方で開放的にしたいという矛盾する要望も必ず出る。このほか家相や風水を持ち出す建て主もいる
◉これらの要望にまともに対応すると散漫なプランとなる。「要望は反映されているがピンとこない」と建て主に言われて契約に至らない
◉それを防ぐには現調の際にその場でたたき台となる簡易プランを作成し、大きな方向性を示すことが重要。そこで反応がないなら価値観が異なるためなので深追いしない
◉前向きな反応がある場合、「1回目のプレゼンはプロの視点で作成したプランを出す」と伝える。建て主の細かい要望は一旦置いておいて、一般的な暮らしやすさや心地よさを優先してプランを作成する
建て主の思い込みを是正する続きを読む▶︎
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