政府は4月22日、2025年度までの新築住宅への省エネ基準適合義務化などを盛り込んだ建築物省エネ法等改正案(脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案)を閣議決定した。
同法改正案について政府は、昨年11月の閣議で「次期国会提出を目指す」と決定していた。しかし、与党自民党は今夏の参議院選挙を控え、与野党対立しそうな法案の提出を断念。国交省関連では昨年12月に発覚した統計不正問題への対応等もあり、同法改正案も提出から〝検討中〟に格下げとなっていた。
こうした動きに対して、同法改正案の早期国会提出を求める署名が1万5496筆集まったほか、業界団体や環境問題に取り組む団体などからも同法改正案の今国会審議を求める声が相次いでいた。
同法改正案は、▽全ての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合を義務付け▽トップランナー制度の拡充▽販売・賃貸時における省エネ性能表示の推進▽住宅の省エネ改修に対する住宅金融支援機構による低利融資制度を創設▽市町村が定める再エネ利用促進区域内について、建築士から建築主へ再エネ設備の導入効果の説明義務を導入▽省エネ改修や再エネ設備の導入に支障となる高さ制限等の合理化▽大規模建築物について、大断面材を活用した建築物全体の木造化や、防火区画を活用した部分的な木造化を可能とする▽防火規制上、別棟扱いを認め、低層部分の木造化を可能に▽二級建築士でも行える簡易な構造計算で建築可能な3階建て木造建築物の範囲の拡大等▽省エネ基準等に係る適合性チェックの仕組みを整備――等を盛り込んでいる。
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