カーサプロジェクト(東京都渋谷区)は、年間1万5000件の反響を獲得している「casaの家」を更に多くの工務店へ活用していただくため、初期費用のない「サブスク型」サービスを月額10万円からスタートする。規格住宅や建築家とつくる家の導入も可能で、さらに集客・営業・設計・施工業務をワンストップで支援する。
なぜ 15000件という反響を得られているのか。またこのタイミングでサブスクを始める理由は何か。事業責任者の佐藤共之さんにその想いを聞いた。
規格住宅も建築家の家も使える
「casaの家」は、規格住宅の「product casa(プロダクトカーサ)」と、建築家による設計が手軽に利用できる注文住宅「design casa(デザインカーサ)」の主に2つのサービスがある。これまでどちらのサービスを活用する場合であっても、約150万円からの導入費用が必要だった。今回スタートする仕組みでは、基本的には月額費用のみ=いわゆる「サブスクリプション(サブスク)型」で、初期費用なしで両方のサービスを利用することが出来る。導入するためのハードルをぐっと引き下げた形だ。集客や営業、施工のためのノウハウも提供する。
反響に対して加盟店が足りていない
なぜこのタイミングでサブスク型のサービス導入を決めたのか。佐藤さんは「コロナ禍に入ってから、反響数が爆発的に伸びていることが大きい」と話す。「年間1万5000件の反響を獲得できていて、全国から反響をいただくものの、加盟工務店が存在しないエリアが数多くある。まだまだ仲間が必要。ミスマッチを解消するために、他業種を習って参入障壁の低いサブスク化を決めた」と理由を話す。
デザインが集客に直結する時代
集客数が急激に伸びてきた背景には、同社が一貫してエンドユーザー向けに施策を行ってきたことがある。「根本にある強みは、カーサの家をスタートしてから13年間ユーザー目線でブランドを育ててきたこと。そのために、すべてにおいてデザインを意識して作ってきたことだ」。
エンドユーザーに対してコツコツとブランド化を進めるため、同社が最も重要視してきたのはワンストップでデザインにこだわること。商品だけではない。それにまつわるWEBサイトのデザインから営業ツール、施工マニュアルに至るまで、統一してデザイン性の高いものを製作してきた。動画にも一早く取り組み、商品動画だけでなくユーザーへのインタビュー動画などにも他社に先駆けて取り組んでいる。
これらがSNS全盛やコロナ禍の時代背景もあって実を結び、実際のコンバージョン(問い合わせ)に直結してきたわけだ。
「SNSはすでに、マイナスになるような素材を投稿すればダメージを受ける状況。私達には綺麗な施工写真が1000枚以上あり、プロが撮影した動画があって、整えられたLP(ランディングページ)がある。一貫するのはデザイン。だから現代のお客様を集客できるようになった。ブランディングがようやく効いてきたことを実感している」と佐藤さんは自信を込める。
本部からの送客費用も含まれる
さらにサブスク費用の中には送客も含まれる。「本部からの送客があることもサブスクのメリットとして大きいはず。さらに自社SNSの運用でも、SNS広告からの導線でFacebook、Instagram、LINEからの問い合わせが一番効果が出ているなど、実績のあるノウハウを活用してもらうことで支援できる」。
加盟店には規格住宅、建築家とつくる家の活用、どちらでも棟数を伸ばしている会社がある。自社の注文住宅を組み合わせている会社もあるが、どの場合でもWEBの活用は現代の集客では不可欠だ。ちなみに規格住宅だと、現在同社でも最も集客力があるのは平屋の「casa piatto」で、2階建ての「casa cube」もコンスタントに集客力を持っているという。当然それぞれのLPを加盟店は活用できる。
デザインへの投資をサブスクで
WEBとSNSの力があって、間違いなくデザインへの投資が集客につながる時代になった。逆にデザインが悪ければ現代のツールを活用できず、顧客は離れてしまう。
一方で、工務店側が人材をそろえて対応していくには集客のハードルは非常に高くなり、負担が大きい。「サービスを活用してもらえれば、社員数名で活躍するのも可能だし、会員の中には3人で20棟以上やっているような工務店もたくさんいる」ワンストップでデザイン性の高い素材とツールを提供し、運用ノウハウも持つ同社がサブスクを始めたのも時代が求める流れといえる。
「ユーザーが求めてくれていることがコロナ禍ではっきりした。最初からデザインベースであることで、すべてが集客に直結する。この強みを実感してもらいながら、より多くのユーザーに価値を提供していきたい」。
サブスクのコースは10万円(月額)から。金額は導入する規格住宅の種類などによる。
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