クラウド型経費精算システム「楽楽精算」を開発・提供するラクス(東京都渋谷区)は4月20日、全国の経理担当者約1000人を対象に実施した適格請求書等保存方式(インボイス制度)に関する意識調査の結果を発表した。2023年10月に開始される同制度について、「名称は知っているが内容は知らない」は19.4%、「名称も内容も知らない」は17.7%となり、約4割の企業が「どのような内容か知らない」ことがわかった。
100~1999名の企業では「名称は知っているがどのような内容か知らない」「名称も名前も知らない」は32.7%なのに対し、従業員規模30~99名の企業では44.6%と、従業員規模によって11.9ポイントの差が発生。同社は今後、同制度への理解向上が課題となるとしている。
インボイス制度の開始で、請求書受取側としての請求書処理の業務量がどのように変わるかについて聞いたところ、「大幅に増えると思う」が18.9%、「少し増えると思う」が41.9%と、6割以上の企業が「インボイス制度開始で業務量が増えると思う」と回答。経理業務に大きな負荷がかかっていることがうかがえる結果となった。
具体的にどのような作業が負担になるか聞いたところ、「受領した適格請求書の記載内容の十分性の確認」(74.5%)が最も多く、「取引先が適格請求書発行事業者か免税事業者かの確認」(60.9%)が続いた。インボイス制度開始後の仕入税額控除に関する計算方法について、「請求書等積上方式」採用は36.6%、「帳簿積上方式」採用は18.2%、「総額割戻方式」採用は8.0%だった。一方、「分からない」は35.5%で、準備が進んでいる企業と進んでいない企業の差が広がっている。
インボイス制度について、対応や準備等で最も大変だと思われることに、29%が「現在の“仕入先”との取引関係見直し(仕入先が免税事業者の場合の取引関係見直しなど)」と回答。多くの企業が、仕入先が適格請求書発行事業者であるかどうかで、取引関係の見直しを行う意向であることがうかがえる。
同調査は、従業員数30~1999人の企業の経理・財務・会計担当者を対象に実施。有効回答数は977サンプル。
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