KDDI(東京都千代田区)はこのほど、従来の宣言から前倒し、2030年度までに自社の事業活動におけるCO2排出量実質ゼロ実現を目指すと発表した。加えて、 同社グループがTELEHOUSEブランドで展開している全世界のデータセンターにおいては、2026年度までにCO2排出量実質ゼロ実現を目指す。グループ全体では、2050年度までにCO2排出量実質ゼロを目指す。
同社は、2020年5月に策定した「KDDI Sustainable Action」において、2050年度までにCO2排出量実質ゼロを目指すことを宣言。その後、政府が2021年4月に2030年の温室効果ガスを2013年度比で46%削減する目標を掲げ、同年10月のCOP26においても2030年に向けた積極的な対策が各国に求められている。こういった世界的な環境意識の高まりを受け、より積極的なカーボンニュートラルの実現に向けた検討を行い、このほど、従来の目標から20年前倒しすることを決定した。
同社では、電力などのエネルギー消費を通じて、一般家庭約50万世帯分に相当する年間約100万トンのCO2を排出している。そのうちの98%が携帯電話基地局・通信局舎・データセンターで使用する電気に起因しており、5Gの普及と通信量の増大によりさらなる増加が想定されるという。そのため、カーボンニュートラルの実現に向けて、基地局や通信設備などの省電力化と再生可能エネルギーの利用を従来計画より大幅に前倒しする。
省電力化に関しては、auの3G携帯電話向けサービス「CDMA 1X WIN」の終了による3G停波での削減を見込む。加えて、省電力や再生可能エネルギー分野でのパートナーシップや新しいテクノロジーの導入によるCO2排出量削減にも取り組む。また、Intel Corporation (米国サンタクララ)と発表したAIを活用しトラフィックに応じて通信用設備のCPUを制御して消費電力を最大20%削減する技術や、液体でIT機器を冷却する装置を導入し、通信局舎・データセンターのCO2排出量の削減を目指していく。次世代太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」を将来的に携帯電話基地局に導入することも検討している。
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