一般社団法人リノベーション協議会(東京都渋谷区)は4月19日、優良なリノベーションの品質基準を満たす「適合リノベーション住宅(R住宅)」制度において、一定の省エネ基準を満たしたリノベーションマンションに発行する「R1住宅エコ」基準を新たに策定したと発表した。6月から登録を開始する。
省エネリノベーション住宅の普及・標準化を目指し策定したもので、基準は外皮平均熱貫流率(Ua値)とし、最低基準は住宅性能表示制度における断熱等性能等級4の要求値とした。性能値は3段階の★マークで表示し、「R1エコ基準★(ワンスター)」は断熱等性能等級4と同等程度、「R1エコ基準★★(ツースター)」は等級5と同等程度、「R1エコ基準★★★(スリースター)」は等級6と同等程度。
国土交通省の試算では、1980年基準の断熱性能の住宅を「R1エコ基準★」と同等程度の断熱等級4へリノベーションした場合、冷暖房エネルギー消費量を約35%削減、1992年(平成4年)基準の断熱性能の住宅の場合は約24%削減が可能。また「HEAT20」では、「R1エコ基準★」と同等程度の断熱等級4の住宅を「R1エコ基準★★」と同等程度のUa値「G1」基準にリノベーションした場合、年間暖房負荷を約40%削減、「R1エコ基準★★★」と同等程度の「G2」基準へリノベーションした場合は約55%削減可能だとした。
政府は2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、2030年度に「家庭部門」のエネルギー由来のCO2排出量を2013年度比で66%削減する目標を掲げている。住宅対策としては、2030年に「新築される住宅・建築物についてZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保され、新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が導入されていること」、2050年に「ストック平均でZEH・ZEB基準の省エネ性能が確保され、導入が合理的な住宅・建築物において太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの導入が一般的となること」を目指すべき姿とし、2025年までの省エネ適合基準への義務化、2030年までの省エネ基準のZEH水準への引き上げといった施策が予定されている。
同協議会では、現行の省エネ基準を満たしている住宅ストックが10%程度しかないことから、「R1住宅エコ基準」を策定。業界として省エネリノベーションに取り組み、いち早く住宅ストックの断熱化、省エネリノベーション住宅の普及推進を図るとしている。
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