環境省と国立環境研究所はこのほど、2020年度の日本の温室効果ガス排出量(確報値)をまとめ、4月14日に公表した。2020年度の総排出量は11億5000万トン(CO2換算)。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に起因する製造業の生産量の減少や、旅客・貨物輸送量の減少等から、前年度比5.1%減となった。
2014年度以降7年連続で減少。排出量を算定している1990年度以降最小(3年連続で最少を更新)。2013年度の総排出量(14億900万トン)と比較すると、エネルギー消費量の減少(省エネの進展、新型コロナ感染拡大の影響等)や、電力の低炭素化(再エネ拡大及び原発再稼働)に伴う電力由来のCO2排出量の減少等から、18.4%(2億5900万トン)減少した。
家庭部門は前年度比4.5%増
CO2排出量(電気・熱配分後排出量=電力及び熱の消費量に応じて消費者側の各部門に配分した排出量)の変化を部門別に見ると、前年度比では家庭部門のみ増加。産業部門▲8.1%(▲3100万トン)、運輸部門▲10.2%(▲2100万トン)、業務その他部門▲4.7%(▲890万トン)、家庭部門+4.5%(+720万トン)だった。
家庭部門の前年度からの増加要因としては、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で在宅時間が増加したことによる、電力等のエネルギー消費量の増加等」を挙げている。
森林等の吸収源対策による吸収量は4450万トン(森林吸収源対策で4050万トン、農地土壌炭素吸収源対策で270万トン、都市緑化等の推進で130万トン)。「総排出量」から「森林等の吸収源対策による吸収量」を引くと、11億600万トンで、前年度から6000万トン減少。2013年度総排出量比21.5%(3億360万トン)の減少となった。
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