長く住み続けることが省エネルギー
壊すことまで考えること
迎川:それでは野沢さん、あなたにルールはありますか?ということで、これはテレビの人気番組でセブンルールっていうのがあって、7つにしようかなと思ったんですけど時間の関係もあって5つにしました。ここに挙げる5つ以外にもエネルギー、素材の問題。こんな物も是非質問してみたかったんですけど、それは5つの中に絡めました。そんなふうにみてください。野沢正光の建築、ファイブルールということで、お願いします。
最初に私の方から軽く紹介をします。
まず、時間のルール。例えば、永く住み続ける事が最大の省エネルギーだと仰っています。そこから発展してロングライフデザイン、それがとても重要なんだと。ドミノにもロングライフデザインが挙げられています。家族の時間を育む時間を繋ぐ、ということで、たとえば30年で壊すような家じゃだめです。
これが、たとえば60年あると2世代・3世代まで繋がっていくんです。冬休みや夏休みに実家に帰った時、お父さんが背比べした跡がここにあるよと。お父さんってこんなに小さい時があったのみたいな。そういう事が会話を生むキッカケになって、家族が繋がっていく。これは家の役割としてとても重要なことでしょう?
また、まちの時間をつなぐということで、特に都市部では家を建て替えるというのは、庭も全部壊しちゃうわけですよね。そうするとせっかくいい緑があったのに消えてしまう。言ってしまえば、まちの風景が変わってしまう。そういうまちはダメなんだと。やっぱり時間をつなぐことで、まちの風景を永く残す。こんな事が大事なんです。
これに絡めて野沢さんは「住宅の基礎を残そう」とも仰っています。解体して建て替える時に、基礎まで壊すには、破壊するのも造り直すのも、非常にエネルギーが必要になります。建て替えるにしても「基礎を残せば、こんなにいい事ないんじゃないか」という話もしてましたよね。
基礎を残すこと。残す手段として、木造ドミノっていうのは非常に合理的です。間取りがどうであろうと、外周の基礎、都市部の限られた敷地だと、建て替えても家なんかそんなに大きさ変わらない。それだったら基礎を残そうよ、と。野沢さんは自分の設計の中で時間を考えた時に、どういうことを考えてどんな答えを出してるのか。是非伺いたいと思います。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。