日射熱取得の効果を最大化する手法が蓄熱。最近はシミュレーションもある程度可能だが、意図した結果を得るにはコツがある。蓄熱を組み込んだ家づくりを熟知するPASSIVE DESIGN COME HOMEの木村真二氏に蓄熱の生かし方について聞いた。
「蓄熱+部分間欠暖房」で快適性を保つ
◉住宅の省エネルギー性能に大きな影響を与えるのが冷暖房のエネルギー消費量。これらは躯体性能と日射熱取得のほか冷暖房の方式によっても変わってくる
◉冷暖房の方式は地域性を加味して判断する。寒冷地や冬季の日照時間が短い日本海側は連続暖房のほうがエネルギー消費量は少なくて済む
◉それ以外の地域では連続暖房のほうが消費エネルギーが大きくなる。日射熱取得により一定の室温を保った上で部分間欠冷暖房にしたほうがエネルギー消費量は抑えられる
◉日射熱取得の効果を高める手法が蓄熱。蓄熱とは床や壁などに熱容量(比熱)の大きな材料を用いて日射熱を蓄えてピークをずらす手法のこと(図1)
◉温暖地の高断熱住宅の場合、蓄熱を生かすと冬は日没後の暖房負荷を抑え、起床時の室温を1.5℃程度高く保てる。夏は日中の温度上昇を抑えて冷房負荷を下げられる
➡蓄熱を生かすと夏冬とも室温の変動が減り、快適性も増す(図2,3)
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