床下エアコン(床下暖房)は30年以上の歴史をもつ全館暖房の手法であり、実務者によるトライアンドエラーにより進化・発展してきた。
その当事者である西方設計の西方里見氏への取材をもとに、床下暖房の歴史と基本的な考え方をまとめた。
床下暖房の原点
◉熱は下から上へと移動する。外皮の断熱性能が低い場合、ファンなどで強制的に熱を下方に戻して室温を平準化する必要がある。外皮を高断熱化すれば自然対流に任せても上下の温度差はわずかで済む(図1)
➡外皮を高断熱化した上で建物下部に熱源を設け、自然対流に任せるのが高断熱住宅における暖房の基本的な考え方(図1)
◉「外皮の高断熱化+建物下部の熱源+自然対流」の代表的な暖房手法が床下暖房。基礎断熱とともに発展してきた。
現在は熱源としてエアコンを使う方法が一般的
◉床断熱には劣悪な床下環境や防湿気密施工の煩わしさなどの課題があり、その解決策として同社では35年ほど前から基礎断熱に取り組みだした(図2)
➡当時はXPS3種50mm厚。立ち上がり外側と内側の折返しのみで底盤下は無断熱
◉当時のほかの部位の断熱仕様は壁が高性能グラスウール105mm厚、屋根が同200mm厚でQ値は1.8程度。床下換気口がないと住宅金融公庫の融資が下りなかったのでメーカーと新住協で開発した開閉式換気口を採用していた
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