島野工務店(栃木県小山市)は、以前から住宅の高性能化・ZEH化を推し進めつつ、顧客の暮らし方を高性能住宅向きに誘導することにも取り組んできた。昨年、その取り組みが評価され、2021年度の省エネ大賞事例部門で中小企業庁長官賞を受賞(取り組み名「高断熱住宅における省エネルギー性と健康と快適性の実現」)。直近の取り組みについて、社長の島野勝行さんに話を聞いた。
同社では以前から、XPSⅢ種b105mm厚による外張り断熱工法を採用していたが、現在は、さらにXPSⅢ種b100mm厚の内断熱を加えた両断熱工法を標準に。開口部は2005年からトリプルガラスを採用している。
外張り断熱だけでもHEAT20・G2相当の性能を達成していたが、両断熱によりG3(UA値0.19W/m2K)相当の性能を実現した。一次エネルギー消費量の削減量にすると61%となる。
島野さんによると「昨年ごろからG3(を望む顧客)が主流になってきた」という。「他社から乗り換えようとする人」も多い。1度は大手ハウスメーカーを検討するものの、性能の水準などに不安を感じて調べ直し、同社に行きつくパターンだ。
日射量の多い地域だからZEHを推進
また、2018年から2020年の3年間、連続で全棟ZEHを達成している。1棟当たりの搭載量は6kW程度で、仮に太陽光パネルを搭載しないとしても、必ず新築時に後付け可能なつくりにしておく。
栃木県は日射量が多いため、ZEHは「栃木にあった生活スタイル」だと島野さん。日産自動車のお膝元でもあるため、ZEHと相性のいい電気自動車も人々に浸透している。“支出は住宅ローンの返済だけ。太陽光で光熱費ゼロ”の住まいの事例を増やしていくことを、自社のミッションと位置付ける。
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