品川区は、戸越公園内(豊町)に建設を進めていた「品川区立環境学習交流施設 エコルとごし」が完成し、5月1日開業すると発表した。
区によると、都内公共施設としては初の建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の「Nearly ZEB」認証を取得。建設時も、現場の電力を再生可能エネルギー100%のもので賄い、重機等の燃料を天然ガス由来のGTL燃料とするなど、環境影響に配慮した。
開業後は、地中の未利用エネルギーを空調熱源として利用し、屋上に区有建築物で最大規模の太陽光発電設備を設置することで、多くの再生可能エネルギーを創出。建築物のエネルギー消費量の91%削減を実現する。外壁面の緑化や人感センサーなどを用いたLED照明、高い遮熱・断熱性能を有したガラスの採用、直射日光の室内への侵入を考慮した深い庇など、徹底した省エネルギー化や積極的な再生可能エネルギーの活用を図るとしている。「Nearly ZEB」認証取得につながった仕組みや工夫について、各設備の近くに展示パネルを設置し紹介するコーナーも設けている。
地球温暖化による影響が顕著となり、その対策や環境に関する学びへの需要が国内外で高まるなか、同区はより効果的に環境保全を促進するため2018年3月に「品川区環境基本計画」を策定。環境を体感して学べる施設として「品川区立環境学習交流施設エコルとごし」を整備し、環境教育・コミュニケーションの充実や、環境保全について日常的に実践する人を育て、次代につなぐ環境都市の実現を目指す。施設では、公園内の自然や体感を重視した展示物で環境を楽しみながら学ぶことができるほか、区民や公園利用者の憩いと交流の場として利用できる。
区では脱炭素社会の実現に向け、今後の公共施設整備においてもさらなるZEBの認証取得など、地球環境にやさしい施設づくりに取り組むとともに、環境情報発信の拠点として活用し、環境意識のさらなる向上につなげるとしている。
4月29日にはオープニング式典、5月1日には同施設とともに戸越公園や戸越小学校を使ったオープニングイベントを開催する。
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