工務店の間で急速に普及しつつある床下エアコン(暖房)。
その始祖であり、第一人者が西方里見さんだ。
もちろん断熱においても、今の家づくりを確立した1人であることは間違いない。
どのようなプロセスをたどり、どのような思考で〝西方流〟が確立されてきたのか。
3月8日に配信した月刊アーキテクトビルダー動画解説編「西方設計の最新事例に学ぶ全館換気・空調の手法」に登場した西方さんの生の言葉から、そのルーツをたどる。
家というのは組み合わせ
大切なのは考える力を身につけること
基礎断熱で床下空間ができたのは(結露防止やメンテナンスの面で)いいことだらけだったが、ひとつだけ、床が何となくひやひやする。床の温度が16℃ぐらいで、冷輻射がある。
それを解決するにはどうしたらいいか。北海道の深基礎・半地下空間にはボイラー室やストーブを置いている場合があって、FF式石油ストーブを置いて床下暖房したのが始まり。
なぜ今回、わざわざこんなこと(床下暖房の歴史)を述べるかというと、インターネット上にはいっぱい情報があって、それぞれの方が、あれがいい、これがいい(と主張している)。すると、どれがいいのか悪いのかわからない。1つ1つは良くても、家というのは組み合わせなので、組み合わせは自分で考えなくてはいけない。
考える力を身につけ、先人の教えがいっぱいあって、自分もそこに創意工夫を1つ、2つ付け加えていく、というのが流れだと思う。簡単に床下エアコンができたわけではなく、その時期、その時期で反省点があって改良されてきた、ということです。
暖房を床下に置くことによって、床面の表面温度が24℃前後になるんですよね。低温輻射で非常に心地よい。今、いろんな意味合いで、コストダウンなどで床断熱が復活してきているんですけど、この24~25℃前後の低温輻射は心地よく、なかなか捨てがたい
これ(スライドの図版)はローマ時代のハイポコーストという床下暖房、それから壁も通すという(システム)。韓国ではオンドルだとか、韓国だけではなく中国にもあって、やっぱり世界的にこういうのはあるんですね。昔から考えられていた・・・・・
この記事は、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー2022年4月号/超高性能住宅』(2022年3月30日発行)P.42~43に掲載しています。
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