リコー(東京都大田区)は、360°カメラ+ソフトウェア+クラウドを組み合わせたデジタルサービス事業を強化するとともに、5月中旬にも360°カメラの新商品「RICOH THETA X(リコーシータエックス)」(以下:シータX)を日本国内向けに発売すると発表した。
新たに投入する360°カメラ「シータX」は、使いやすさ・安心感・拡張性・高精細にこだわり、エントリーモデル(シータSC2)とプレミアムモデル(シータZ1)の間のアドバンスドモデルという位置付け。
2.25型タッチパネルモニターを初搭載したことにより、従来機のようにスマホを使うことなく、撮影から画像の閲覧まで本体操作のみで行えるようにした。さらに、世界中のユーザーから要望が高かったというバッテリー・メモリーカードの交換をシリーズで初めて可能にした。
静止画像解像度は最大約6000万画素、動画サイズは最大5.7K/30fps。撮影しながら天頂補正や2つのレンズで撮影した画像をつなぎ合わせる処理ができるため、撮影後すぐに360°動画データとして扱うことが可能。さらにGPS機能を内蔵しており、本体のみで正確な位置情報を取得することができる。
また、アンドロイドベースのOSを採用しており、不動産向けの物件撮影や建築現場向けのライブ映像による情報共有など、アプリを使った機能拡張にも柔軟に対応。一般の開発者がシータXで使えるプラグインを自由に開発して公開できるため、スマホアプリと同等レベルの多様な機能拡張にも期待が集まるとする。
すでに日本に先駆けて欧米で発売されており、利用者からは画質のきれいさ、最初から戸惑わずに操作できる使いやすさを評価する声が多く、スマホユーザーであれば説明書を見なくても直感的に扱えるという。想定販売価格は約11万円。
あわせて同社は、ここ2年ほどで急速に伸びている360°画像を使った不動産・建築向けのデジタルサービス「RICOH360 Tours/Projects」のような、360°カメラ+ソフトウェア+クラウドによる「SaaS+a Box(サーズプラスアボックス)」形態のビジネスを強化すると宣言。
「扱いが難しい」「セットアップが大変」といったデジタルサービスにつきものの課題を解消し、「買ってすぐに使える」360度サービスの提供を進めるととともに、物件ツアー動画の自動生成や家具自動配置といった各種機能を、今後はシータユーザーに限定せず、使いたい人が自由に使えるようなプラットフォームの構築を目指し、他社アプリとの連携も積極的に行う。一方で、例えば建築現場向けのヘルメット一体型ウェアラブルカメラなど、特定の業種・業務に特化したハードウェアの開発も進めていくとした。
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