日本ウレタン断熱協会(東京都中央区)は昨年秋から続く、吹付ウレタン断熱工事用原液(以下、原液)A種1Hの吹付ウレタンの供給不足による建築現場におけるA種1Hの吹付ウレタン断熱工事遅延について、ハネウェル社のインド新工場建設により、今年秋には安定的に供給が見込まれる見通しを発表した。
原液A種1Hの供給不足は発泡剤HFOの製造元であるハネウェル社の米国工場が昨年8月末と9月初めの2度にわたるハリケーン(アイダ、ニコラス)による被害を受け、発泡剤HFOの生産が停止していることや、中国工場が電力不足により生産量が大幅に減少していることが原因とされている。
昨年11月14日に吹付ウレタン断熱工事業者への供給が遅れ、建築現場におけるA種1Hによる吹付ウレタン断熱工事遅延の懸念を公表。今年1月27日には供給状況がさらに悪化し、遅延が継続する見込みであることを明らかにした。しかし、ハネウェル社のフォースマジュール宣言は現在解除されていないが、徐々に稼働が開始され、中国工場においても生産量が回復しつつある状況にあることが確認されており、4月からは原液の供給が回復することが予想される。
さらに、かねてからハネウェル社においては発泡剤HFOの生産体制を強化するため、インドに新工場の建設を進めてきており、ようやく今年4月末に建設完了の見込みであることが分かった。ハネウェル社によると安定生産までに数か月を要するといい、本年秋には安定的に供給が可能になると思われる。詳細は4月初旬にハネウェル社から公表される見込みだ。
今年秋以降は原液の供給も安定化されA種1Hの吹付ウレタン断熱工事は市場の需要を十分満足する施工量を確保できる見込みとなった。これを受け、日本ウレタン断熱協会は、今後新規着工予定の物件について、従来通りの吹付硬質ウレタンフォーム A種1Hを継続して使用することを推奨していくという。
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