千の時を経ても味わいが増す木造住宅で豊かな時を刻んでほしい―。
そんな想いを込めて20代の若者2人が起業した賃貸物件企画・開発の千刻が、自然素材による家づくりを手掛ける諸井工務店(埼玉県入間市)とタッグを組み、同県所沢市に建築中の無垢材や珪藻土を採用した木造賃貸住宅が3月中に完成する。コロナ禍の影響なども相まって高まる都心から郊外への移住需要やリモートワークの普及などワークスタイルの変化にも対応しながら、長く活用される「木の家」の提供を目指す。
千刻は、所沢市出身で中学校の同級生でもある大手機器メーカー勤務の武藤光さん(28歳)とIT系不動産会社勤務の福地正風さん(27歳)が副業として起業。武藤さんの実家が所有する古いアパートが入居者ゼロで負債となっていることなどの事情を受け、「地元で不動産事業を展開しよう」との意向が固まった。2人は計画当初、「とにかく利回り重視で、安く戸数を多く設けること」を考えていたが、20社以上の住宅会社などと話をする中で、「どうせ建てるなら儲かるよりも、良質なものをつくりたい」と変化していったという。
市場分析を進める中で、若年層は持ち家よりも賃貸需要が高いこと、リモートワークの普及で都心から郊外への住み替えが加速していることなどが分かった。所沢は都心へのアクセスが良く、自然が豊かで教育環境も充実しているといった条件を備えていることから・・・
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