中小企業庁は3月17日、5年ぶりの改訂となる「事業承継ガイドライン」改訂第3版を公表した。事業承継に関連する状況の変化等を明らかにするため、掲載データを更新したほか、前回の改訂以降に新設・拡充等された施策等を反映。法人版事業承継税制や個人版事業承継税制、所在不明株主の整理に係る特例等の支援措置についての詳細な説明を更新・追加した。
近年増加している従業員承継や第三者承継(M&A)についての説明も充実。従業員承継に関しては、事業者ヒアリング等を基に、後継者の選定・育成プロセス(後継者候補との対話、後継者教育、関係者の理解・協力等)等の内容を充実した。さらに、M&Aについては、2020年3月策定の「中小M&Aガイドライン」等の内容を反映した。
また、事業を引き継ぐ後継者の目線に立った説明も拡充した。事業承継の実施時期は、後継者にとっては遅い傾向にあることや、事業承継によって企業の売上高・利益が成長する傾向にあること、事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)には、現経営者と後継者候補との協力実施も有効であることなどを解説している。
中小企業庁はまた、同ガイドラインの改訂と併せ、中小企業におけるM&A後の経営統合(PMI)に関する初の指針「中小PMIガイドライン」も策定した。統合作業の「型」を取りまとめたもので、M&Aの譲受側等だけでなく、「親族内承継や従業員承継の後継者にとっても有用」だとしている。
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