新築後3年経って、ガルバリウム鋼板の外壁に、補修の跡が浮き上がってきた。建て主は「傷をつけたからこっそり直したのではないか」と憤慨。現場担当者も知らなかったのだが、実は外壁を施工した業者が「よかれ」と思って引き渡し前についた傷を補修したのだという。建て主は「欠陥工事だ」と怒るが…。 【住宅ライター:渡辺圭彦】
「あんたのところは施工ミスを隠すような会社だったのか!」
アフターメンテナンスに足を運んだYホームの担当者に、建て主のM氏は怒りをぶつけた。新築の引き渡しから約3年。それまでは何の問題もなく、にこやかに対応してくれた建て主だったのだが…。
戸惑う担当者にM氏はガルバリウム鋼板で仕上げた外壁の一点を示した。腰の高さのおよそ20cm四方の範囲で、確かに他の部分とは明らかに違う、色褪せたような部分がある。「私は仕事で金属加工を扱っているからわかる。これは傷がついたところを補修した跡だ。そんな話は聞いていなかったぞ」と憤るM氏。
悪気なく業者が傷を補修。
「ひとこと言ってよ…」
突然、そのようなクレームをまくしたてられて担当者も驚いた。もちろんそんな記憶はいっさいない。取り急ぎ、覚えがない旨をM氏に伝えて「社に戻って確認します」とその場を離れた。
Yホームは大工出身の社長が20年前に創業した地域密着型の中小ビルダーだ。「施工ミスを隠した」などと噂が立ってはたちまち受注に影響が出てしまう。担当者は気持ちを落ち着けながら社長に今起きた出来事を報告し、当時の施工記録を確認。「外壁に傷がついた」という記述はどこにもなかった。
念のため当時、外壁を施工した業者にも・・・
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