リクルート(東京都千代田区)の調査研究機関であるSUUMOリサーチセンターはこのほど、新築分譲マンション、新築一戸建て検討者を対象に、住宅に求めることの変化をテーマとした調査を実施し、その結果を発表した。
住宅に求めるものを調査したところ、新築分譲マンション検討者では「通風・換気性能に優れた住宅であること」、「通信環境が充実していること」、「遮音性に優れた住宅であること」、「省エネ性(冷暖房効率)に優れた住宅であること」などの『基本性能・快適性』関連項目は、今回のコロナ禍で必要度が増した。これらは、コロナ禍が収束した後についても必要度が高い項目となった。
新築一戸建て検討者では、新築分譲マンション同様「通風・換気性能に優れた住宅であること」などの『基本性能・快適性』関連項目に加えて、「収納スペースが充実していること」などの『スペース』関連項目がコロナ禍で必要度が増し、コロナ禍が収束した後についても必要度が高い項目となった。
一方、コロナ禍の初期に注目された「家族それぞれが仕事や趣味に集中できるスペースがあること」や「感染症対策が取られた設備があること」に代表される『スペース』『除菌・非接触』項目は、コロナ禍で必要度は上がったものの、コロナ禍が収束した場合にも必要とする比率は1~2割程度にとどまった。
これらの結果から同社では、住まいの根幹となる『基本性能・快適性』項目が、アフターコロナの時代にも定着してくるとの予想を示している。
新築分譲マンション検討者を対象に、ワークスペースのプランを提示し、それぞれどの程度欲しいと思うか聞いたところ、どのプランについても「多少費用が上がっても欲しい」の比率は5%前後にとどまった。一方、収納については「2畳以上の大型ウォークインクローゼット」、「玄関収納・シューズインクローゼット」の2プランで「多少費用が上がっても欲しい」の比率が1割を超えていることから、ワークスペースよりも収納への要望が高いことがわかる。
また、同調査では、ZEH(NetZero Energy House)の認知率についても調べた。結果としては「名称を知っている」割合が約4割、「名称も内容も知っている」が約2割だったが、ZEH導入が先行している注文住宅検討者の名称認知率が半数強(同社調査による)と考えると、新築分譲マンション、新築一戸建て検討者においても認知が進んできているとする。今後、政府が省エネ推進に向けて住宅の省エネ基準の適合義務化の検討を進めるなかで、消費者の関心はより高まるのではないかと分析している。
調査時期は2021年9月13日~21日。サンプル数は2100。
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