リクルート(東京都千代田区)の調査・研究機関であるSUUMOリサーチセンターはこのほど、住宅の購入・建築を検討している人を対象とした調査を実施し、その結果を発表した。
新型コロナウイルス感染症拡大が、住まい探しに影響を及ぼしたか尋ねたところ、2021年7月~12月の検討者の約半数が「影響はない」と回答。コロナ拡大が始まった当初(2020年4月~5月下旬検討者)と比べると、「影響はない」の割合は11ポイント上昇した。
コロナ拡大前と比べて、住宅に求める条件が変わったかを尋ねたところ、2021年7月~12月検討者では「部屋数がほしくなった」、「日当たりのよい住宅がほしくなった」(ともに24%)との回答が最も多かった。コロナ拡大当初と比べると「仕事専用スペースが欲しくなった」の割合は減少した。エリア別に見ると、首都圏では「仕事専用スペース」、「通信環境」などを求める割合が他エリアより高くなった。
住まい検討のきっかけとしては、「結婚」、「在宅勤務になった/増えた」を挙げる人が多かった。全体では、コロナ拡大当初と比べて、在宅勤務をきっかけとする割合は低下したが、エリア別に見ると、首都圏では在宅勤務がきっかけとなった人の割合が最も多かった。
コロナ拡大により、住宅の契約時期が当初の想定と変わったかとの問いに対しては、76%が「変わらない」と回答。「早まった」とした人の割合は20%で、テレワーク実施者で高かった。自由回答で早まった理由を聞いたところ「在宅勤務」、「住宅ローン減税改正」、「ウッドショック」など様々だった。
コロナ拡大による暮らし全般への影響を尋ねたところ、2021年7月~12月検討者では、影響があったとする割合が全体的に減少。中でも、仕事(通勤する日数が減った、家の中で仕事をする機会が増えた)、余暇(家の中で余暇を過ごす機会が増えた、家の周りで散歩する機会が増えた)への影響が特に減少しており、前回より行動範囲がやや広がった様子が伺える結果となった。
首都圏における2021年7月~12月検討者のテレワーク実施率は59%で前回とほぼ同じだが、実施割合を見ると、前回より「90%以上」が減少し「10%~30%未満」が増加した。
住宅の検討とGOTOキャンペーンや各消費活動のどちらを優先するか尋ねたところ、いずれの場合も「住宅の検討には影響しない」が4割前後を占め、最も多くなった。住宅検討より優先する割合が高かったのは「家族・親戚と会う」、「友人と会う」、「ショッピングに行く」だった。
調査時期・回答数は、スクリーニング調査が2021年12月18日~12月28日・5万9600人。本調査が2021年12月18日~12月28日・2655人。
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