長野県は3月15日、信州の恵まれた自然環境と森林資源を活かし、資源や経済などの地域内循環を考慮した2050ゼロカーボンに資する質の高い快適で健康的な木造住宅である「信州健康ゼロエネ住宅」の普及・拡大を目的に、設計者・施工者向けの『信州健康ゼロエネ住宅指針』をまとめた。
同指針は、設計等の各段階における留意点を解説。ゼロエネルギー化の取り組みや、ライフサイクルにおける二酸化炭素の排出抑制の取り組みなど「整備方針」を提示している。また、信州健康ゼロエネ住宅の利点や既存ストックの活用等に関しても言及している。
■各段階の留意点
①前提条件の把握=(1)自然条件や周辺の住環境等の状況(2)再生可能エネルギーの活用可能性(3)地域材等の利用可能性(4)住まい手の状況
②設計の目標や方針の設定
③設計=⑴配置・外構計画▽風の利用、▽昼光の利用、▽適切な屋外設備計画、▽地域性の考慮等、⑵建物形状・間取りなどの建築計画▽省エネルギーと省資源、▽風の利用、▽昼光の利用等、▽地域性の考慮等、▽維持管理の考慮、⑶設備計画▽省エネルギーと省資源、▽風の利用、▽昼光の利用等、▽地域性の考慮、▽維持管理の考慮等
④施工=⑴設計を反映した施工、⑵省エネルギー、⑶廃棄物排出量の削減
⑤維持管理
⑥解体・再利用
「信州健康ゼロエネ住宅」が備えるべき具体的な基準としては、(1)外皮性能、(2)一次エネルギー消費量の削減、(3)県産木材の利用、(4)太陽光発電設備または木質バイオマスを利用した暖房設備の設置、(5)住宅の強靭化(レジリエンス性の確保)、(6)景観・周辺環境との調和、(7)太陽熱利用設備の設置、(8)伝統技能の活用、(9)気密性能の確保、(10)HEMSの導入、(11)暖房負荷の低減――を提示。(1)~(5)は基本項目(必ず備えるべき内容)、(6)~(11)は配慮項目(確保することが望ましい内容)としている。
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