米連邦住宅金融庁(Federal Housing Finance Agency)は2月28日、住宅のアフォーダビリティ(住宅の適正費用負担)を改善するためのプログラムに、合計11.38億米ドル(約1323億円)資金提供すると発表した。
資金を拠出するのは、半官半民の政府支援機関であるファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)とフレディマック(連邦住宅金融抵当公庫)で、企業による拠出額としては過去最大規模だ。
11.38億米ドルのうち7.4億米ドル(約860億円)は、米住宅都市開発省の監督下のハウジング・トラスト・ファンドが運用する。ハウジング・トラスト・ファンドが州及び州の指定した団体に割り当てる資金は、経済的な問題を抱える世帯のための新築や賃貸住宅の建設プロジェクト、大規模な公共施設の建設、長期滞在型ホテルを支援住宅に転用するプロジェクトなどに助成金を投じる。
残りの3.98億米ドル(約463億円)を運用するのは、米財務省監督下のキャピタル・マグネット・ファンド。住宅のアフォーダビリティ改善のための活動や、関連する経済開発活動及び社会事業活動に対して資金を提供する。
コロナ禍の影響による住宅需要の急増は、材木価格の高騰(ウッドショック)やサプライチェーンの混乱を引き起こし、米国内における住宅のアフォーダビリティの低下を招いた。住宅価格の過度な高騰は昨年より取り沙汰されてきたが、いよいよ深刻に受け止められ、政府や民間団体は本腰を入れて対応を始めている。
米連邦住宅金融庁のトンプソン氏は「我が国の住宅のアフォーダビリティ危機に対応することは、米連邦住宅金融庁の使命として極めて重要なことだ」と述べた上で、「本日発表された住宅の追加生産のための資金提供は記録的な額であり、手頃で持続可能な住宅選択肢へのアクセス向上に繋がるだろう」と述べた。
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