米労働省労働統計局がこのほど発表した「生産者物価指数(Producer Price Index)」で、アメリカ国内で住宅建設のために使用される資材価格が、1月に3.6%上昇したことが明らかになった。針葉樹材の価格が25.4%、外装・内装塗料の価格が9.0%と、高い上昇率を記録したことが影響したとみられる。
建築資材の生産者価格は過去4カ月間で8.4%増加し、前年同月比では20.3%の上昇を記録した。一昨年同月比では28.7%の増加となる。
針葉樹材の生産者物価指数は、前月の21.3%を上回る、25.4%の上昇。2021年9月に底を打った針葉樹材の生産者価格は再び高騰し、この4カ月で73.9%も上昇している。
シカゴ・マーカンタイル取引所(アメリカ・イリノイ州シカゴ)における材木先物価格は、3月10日現在で1216米ドル(約14.3万円)となっており、アメリカ国内における「ウッドショック」が残した爪痕の深さを示唆している。
建築用塗料の生産者物価指数は、外装・内装共に9.3%増加した。前年比では、外装塗料が30.3%、内装塗料が21.2%もの上昇となった。建材価格の高騰は材木価格上昇の影響も大きいが、建築用塗料の価格上昇も無視できないものとなっている。
石膏製品の生産者物価指数は3.4%増加し、11カ月連続の上昇となった。コロナ禍の影響で住宅価格が上がり始めた2020年の8月以降、石膏の生産者物価指数は一度しか下落しておらず、この1年半を通して上昇を続けている。前年比で23%の上昇は、データが閲覧可能となった2012年以来最高の上昇率となる。
主要な建材の価格が高騰する中で、鉄鋼製品の生産者物価指数は約1年半ぶりに低下したが、それでもこの1年で価格が2倍以上になっている。「ウッドショック」が業界内外で注目を集めているが、あらゆる建材の価格が軒並み高騰しているため、「建材ショック」ともいうべき様相を呈している。
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