東日本大震災から11年目となった3月11日、内藤廣建築設計事務所(東京都千代田区)、倫理研究所(東京都千代田区)、陸前高田市の3者共催による「奇跡の一本松の根」展が東京都千代田区の紀尾井清堂で始まった。期間は2023年2月9日(予定)まで。
7万本を誇った岩手県陸前高田市の名勝高田松原で、壊滅的な打撃を受けながらも奇跡的に1本だけ残った「奇跡の一本松」。復興のシンボルとなった「奇跡の一本松」の根は、同市で分割され保管されている。それを組み立て、紀尾井清堂に展示。組み立てた時には、強い生命力と「生きることの雄々しさ」が感じられたという。
この展示企画を提案、実現させた建築家の内藤廣氏は「この根が与える強い存在感と生命力は、都会で暮らす人々に大きな感銘を与えると同時に、遠くなりつつある被災地に思いを馳せる動機付けにもなるはずです。それは災害が多発するわたしたちの日常へも資するものと考えます。明日を生きることへの糧として、この根を多くの方に見ていただきたいと思っています。」とコメントしている。
「紀尾井清堂」は、特定の機能を持たせず、さまざまな企画を許容し自由に使える建物として、倫理研究所からの依頼で2020年12月、内藤廣建築設計事務所が建設。この1階部分のギャラリーをつかって今回の展示が行われている。
観覧料は無料。インターネットからの事前予約が必要。詳細はこちらから。
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