大成建設(東京都新宿区)は3月11日、大成ロテック(東京都新宿区)、フェクト(岡山県津山市)と共同開発した高耐久木材保護塗料「T-WOOD COAT」を、建物外装に適用した半年後の状況と効果を公表した。
同社は、東京エレクトロン宮城の本社工場敷地内に「宮城技術革新センター」を2021年9月竣工。同センターの大屋根軒天の外装木材(550m2)に、「T-WOOD COAT」を初適用した。塗装から半年経過した現在も、施工当初の状態で意匠性と地域産木材本来の美観を保持していることを確認できたという。
同塗料は、従来の木材保護塗料と同様の方法、日程で施工した。乾燥時間が夏期1~2時間程度、冬期5~6時間程度と短いため、天候条件の影響を軽減でき、施工性を向上。クリヤ色で、地域産杉材(南三陸杉)の色味や木目の美観性をそのまま生かし、半年経過後も施工当初の状態で意匠性を保持している。屋外暴露試験では、未塗装の外装材よりも「T-WOOD COAT」を塗装した方が半年後も美観を保持しており、耐久性に優れていることが確認できた。
「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(2020年)」が策定されるなど、木材の利用が積極的に進められるなか、木の風合いの良さが意匠的にも注目され、内外装への利用が多く見込まれている。建物の外装材として使用する場合、紫外線による劣化を抑制する木材保護塗料を使用しているが、塗料の耐久性などが課題となっていたことから、3社は2021年に美観の長期的な保護を可能とする同塗料を開発。今後、同塗料を高耐久な外装木材保護塗料として、木材を使用する建物の新築・リニューアルに幅広く展開し、脱炭素社会の実現に向けた木材利用の促進に貢献するとしている。
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