松尾和也さん流エコハウス設計メソッドを毎月10日号でお届けする本連載。今回は、エアコンを効率的に使うための、風量設定のノウハウを、暖房と冷房に分けて解説します。
「エアコンの風量設定はどうすべきですか?」とよく聞かれます。これに関して、私も明確に、理論的に答えられていないところがありました。ようやく自分の中で納得がいく解説ができるようになったので紹介します。
まず、よくある勘違いから解説します。暖房だと「温度設定を上げる=必ず暖房費が高くなる」と思い込んでいる方がいらっしゃいます。しかし、実際には大まかに言うと、暖房費はエアコンが供給する暖房能力に比例します(後で説明しますが、厳密にはこれも間違っています)。
エアコンが供給する暖房能力は、
0.35W/m3K×風量(m3/h)×吸い込み空気と吹き出し口の温度差(K)
で計算することができます。Kはケルビンと読みますが、℃と同じものと考えて差し支えありません。例えば風量が1000m3/h、温度差が10℃の場合、「0.35W/m3K×1000m3/h×10K=3500W( 暖房能力)」となります。こたつ1台が600Wなので、これはおおよそこたつ6台分もの熱量に相当することになります。
今回の場合、3500Wの暖房能力を提供し続けた場合、室温は設定温度に達するまでどんどん上昇していきます。例えば設定温度が20℃だとエアコンのセンサーが20℃に達したと感知すれば、運転は止まります。23℃設定なら23℃で止まります。これがいわゆる「設定温度」です。
人によっては、23℃に設定したら・・・
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