矢野経済研究所(東京都中野区)は3月10日、住宅リフォーム市場の短期的な市場トレンド調査の推計結果を発表した。2021年市場規模は前年比5.7%増の6兆9011億円(速報値)と推計。コロナ禍での在宅時間の長時間化に伴う住環境への関心の高まりなどが、住宅・住環境関連への再投資に寄与したことから市場が拡大したとみられる。
分野別にみると、「設備修繕・維持関連」分野が同8.6%増と大きく伸長。「家具・インテリア等」分野は昨年の反動からか同8.3%減となった。「増改築工事(10m2超+10m2以下)」分野は同2.7%減だった。
2021年第4四半期(10~12月)の市場規模は前年同期比9.7%減の1兆9009億円(速報値)と推計した。過去20年で最も高い水準で推移した前年同期からは10%近く減少しているものの、過去10年の第4四半期の市場規模を上回っており、引き続き好調を維持していると考えられる。
2022年の市場規模は、約6.5~7兆円で推移するものと予測。コロナ禍が落ち着いた2021年10~11月はレジャー・旅行などへの支出が増え、リフォーム関連支出が低迷したことから、2022年に感染状況が落ち着いた場合、市場は6.5兆円で着地すると予測する。一方、団塊ジュニア世代の持ち家がリフォーム適齢期・需要期に差し掛かり、ベース需要が増加すると予測すると、市場がさらに拡大する可能性があるとした。また、建材費・工事費の上昇もプラス要因として寄与するが、リフォーム需要を鈍らせる要因ともなりかねず、動向には注意する必要があると指摘した。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。