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今回は、佐野郁夫さんの「現場監督論 -現場監督以外も知っておくべき、現場監督の仕事-」ルームからの記事です。
木質パネル工法の住宅メーカーに入社後、研究所、開発部門にて住宅の性能、構造や大臣認定取得に関わる業務に従事。その後、日菱企画株式会社/住宅産業塾にて事務局長として住宅産業塾を運営。その他、魅せる現場づくり基礎講座、魅せる現場コンテスト、現場診断・指導、業務改善指導のほか、日菱企画グループのコンサルティング全般をまとめている。
第9回:現場の品質管理
現場の品質管理について、前回は概要程度でしたのでもう少し詳しく記述いたします。現場でのクレームや対応の悪さをなくすには、きちんとした品質管理体制を築くことが大切になります。そのポイントは、確かな品質基準を確立したうえで実践する「品質検査」と「確認」となります。
住宅の品質は、基礎と躯体が重要です。従って、しっかりと地耐力があることを確認した地盤に、構造耐力上主要な部分である基礎、土台、柱、斜め材、壁、横架材、軸組、床組み(床板)、小屋組、屋根材について明確な品質基準を定め、確実な品質検査を実施して管理してください。これらを含め住宅工事の品質管理は、工事の進行に沿って行う工程別・工種別品質管理と検査が中心になりますが、それは図に示した18回が基本となります。
品質管理体制を築くうえで重要な要素が工程別・工種別の品質管理です。住宅建築のような仕事は、積み木を積み上げていく作業に似ていて一つひとつの工事が完成した上にさらに次の工事が積み上げられていきます。従ってたったひとつの工事でも不良工事ややり残しがあるまま次の工事を始めてしまうと当然あとになってやり直しが発生しますが、その段階で前の工事まで戻って工事をし直さなければなりません。これが手戻り工事と呼ばれるものです。手戻り工事はムダなコストを作り出す要因ですが、住宅工事の中で発生するトラブルとして数も多いため、現場監督の品質管理として最優先の解決課題です…
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