コロナ禍による原油価格高騰を受けて、政府は3月4日に関係閣僚会合を開き、緊急対策をまとめた。燃料価格の激変価格対策が主な柱だが、資金繰り対策などの中小企業支援も盛り込んだほか、今後の長期化も見据え、住宅・建築物のZEH・ZEB化を中心に民生部門の省エネ投資を促進するなどとしている。
資金繰り対策では、政府系金融機関、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会、各経済産業局等に「ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」を設置し、中小企業者の相談を受け付けている。影響を受けている場合には、セーフティネット貸付の数値要件(売上5%減等)の撤廃や金利引き下げなどの支援を実施する。
また、中小企業等がエネルギーコスト等の上昇分を適切に転嫁できるよう、独占禁止法上の「優越的地位の濫用」や下請代金法上の「買いたたき」などに対する取締りを強化。業界団体(約1500団体)を通じ、親事業者に対して、下請事業者への配慮を要請する。
原油価格高騰の長期化を見据えた「エネルギー構造転換の促進」ではZEH・ZEBの促進のほか、電気自動車や燃料電池自動車などクリーンエネルギー自動車の購入支援を充実させ、早期の需要創出や車両価格低減を促す。また、産業・業務部門では高性能の省エネ設備への更新を支援。需要側の燃料・電力の消費抑制に資する取り組みを促しエネルギーコストを節減するなどとしている。
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