東急建設(東京都渋谷区)は、高遮音二重床システム「SQサイレンス50」を採用した3階建て準耐火木造建築の第1号案件として、賃貸共同住宅「サンムラカミ22番館」(東京都品川区)の施工を2月28日に完了したと発表した。
「SQサイレンス50」は、同社がナイス(神奈川県横浜市)、淡路技建(茨城県牛久市)とともに共同開発した高遮音二重床システム。床板と防振支持脚の振動特性に着目して開発したもので、床板にスクエア形のパーティクルボードと防振支持脚を組み合わせることで、木質系床構造の「高遮音化」と「軽量化」の両立を実現した。遮音対策として床の重厚化や防振装置などを利用することが多い木造・木質化建築において、同システムは重量アップや特殊部材を使用することなく、木造建築最高レベルの床衝撃音遮断性能を確保。重量床衝撃音に対してLH-50(試験値)を達成している。建物自重の増加を抑制できるため、耐震性の確保や材料費等のコストを軽減できるという。
「サンムラカミ22番館」の建築主である村上不動産は、敷地への進入道路が狭いことや、鉄筋コンクリート造よりも軽量化でき建設コスト優位性があることから木造を選択。居住者が上下階を気にすることなく過ごせるよう、2階および3階の木造床に同システムを適用した。村上不動産は「木造であっても鉄筋コンクリート造と遜色ない遮音性を実現できることがわかったため、昨今の脱炭素意識の高まりからも、今後は木造という選択肢も前向きに検討していきたい。」とコメントしている。
今後も同社では、高い遮音性能が要求される中高層木造建築物において、同システムを採用し、木造・木質化建築の普及拡大に貢献するとしている。
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