現代建築の主要テーマは建物の省エネ性能で、その主役として「断熱」が祭り上げられている。窓は、建物の中で温まった空気をできるだけ外に出さないという断熱の観点では、以前、大きなウイークポイントだった。今回は、その歴史的な経緯も振り返りながら、窓が与えるエネルギー性能や健康への影響について解説する。
1970年代まで一般的であった箱型二重窓や、ダブルフレーム二重窓のU値は2.5W/m2K程度、シングル窓だと5W/m2K前後であった。
しかし躯体の省エネ性能の義務規制が1982年から始まると、絶縁式のダブルガラスを使用した、いわゆる「断熱窓」が主流になってくる。この断熱窓はその後、ガラスの遮熱性能を高める金属膜による特殊なガラスコーティングや、ガラスとガラスの間の中間層への希ガス(アルゴンなど)の注入などで、高断熱化した。現在のダブルガラス断熱窓のU値は1〜1.2W/m2K、トリプルガラス断熱窓では0.5〜0.8W/m2Kと、壁のU値との格差はほとんどないレベルになっている。
ただし窓の第一の機能は、今も昔も、室内に光(太陽光)を取り入れることだ。太陽光は、人間の体内でのセロトニン(幸せホルモン)とメラトニン(睡眠ホルモン)の生成、分泌、調節を促し、脳と体の覚醒、精神の安定に寄与する。
新築やリフォームで現在、使用されている高断熱窓は・・・
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