建材トップランナー制度の改正内容を検討している経済産業省・総合資源エネルギー調査会の建築材料等判断基準ワーキンググループ(座長=田辺新一・早稲田大学教授)は2月15日、第14回会議(サッシ・ガラスに関する検討では6回目)を開催し、とりまとめ案と窓の性能表示の論点について議論した。
現行の建材トップランナー制度における窓(サッシ、複層ガラス)は、2022年度を目標年度に2014年に導入されているが、住宅・建築物の省エネ性能に関しては、政府目標の2050年カーボンニュートラル達成に向けた議論が進んでいる。また、新築住宅・建築物の平均でZEH・ZEBという2030年目標実現に向けた取り組みの強化が求められることを踏まえ、同ワーキンググループは議論を進めてきた。
今回は事務局からとりまとめ案が示された。目標基準値は〝ZEH2030年目標〟を前提に算出したため、目標年度も整合性を確保するため2030年度に設定。概ね3年ごとに達成状況を確認することとした。
また、サッシの対象範囲(材質)は、現行のアルミGS(単板ガラス)、アルミPG(複層ガラス)、アルミ樹脂複合、樹脂に加え、木製サッシも対象とする。サッシの目標基準値(w/m2・K)は開閉形式別に、▽引き違い=2.16(現行目標基準値からの改善率38.3%)▽縦すべり出し=2.06(同45.1%)▽横すべり出し=2.04(同44.7%)▽FIX=1.87(同44.2%)▽上げ下げ=2.30(同42.1%)――とした。
そのほか、戸建・低層共同住宅用だけでなく、非木造の中高層・大中規模建築向けについても、2030年目標を踏まえ、建材トップランナーの対象に加えることが重要と指摘。その際、日射遮蔽等についても検討を求める意見も委員から出された。
■窓の性能表示は6×☆を提案
今回の会議ではさらに、窓の性能表示に関して、〝論点の方向性〟が示された。現状では、サッシ、ガラスそれぞれ出荷されたものを代理店や販売店が最終製品に組み立てる流通形態が多いため、窓の性能レベルを計算して性能表示ラベルを貼付することが困難な実態がある。そのため、①カタログへの掲載(WEB含む)②ショールーム等の展示場での表示――を行うこととしつつ、代理店・販売店でも可能な限り対応できるよう支援していくなどとした。
また、熱貫流率2.33未満の窓について、現行の☆×4の表示制度では適切に評価できていないという指摘に対しては、最大6つ星にする案を提示。さらに、日射熱取得性について現行の断熱性能と別に表示する案が出された。
同ワーキンググループは次回(3月)に、窓の性能表示に関するとりまとめ案を検討する予定。
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