注文住宅を引き渡した直後、建て主から「火事になりかけた!」とクレーム。浴室の換気乾燥暖房機を使おうとしたらスイッチプレートから煙が出てきたという。担当者が駆けつけてみると、業者のミスでショートを起こしたことがわかった。建て主は感情的になって、なんと「家を建て直せ」と言い始めた…。 【住宅ライター:渡辺圭彦】
建て主であるS氏とは建築時から意思の疎通がうまくいかず、小さなトラブルが頻発していたという。X工務店の担当者は、S氏の気まぐれに振り回されて、ほとほと手を焼いている状態だった。施工不良を起こした浴室換気乾燥暖房機も設置直前になってS氏の要望で急遽、違う製品に変更したもの。それにともない、使用する電機配線の容量にも変更が生じた。
「それも業者には伝えておいたのですが…。ほんとぎりぎりだったのでうっかりしてしまったんでしょうねえ」と担当者は振り返る。
クレームがエスカレート「家を建て直せ!」
背景はどうあれ、X工務店側のミスであることには間違いはない。担当者は非を認めて謝罪し、無償で配線工事をやり直すことをS氏に申し出たのだが…。
「勘弁してくれよ!目の前で火花が散って、炎も上がって煙も出たんだぞ。きっと壁の内部で柱や梁も焦げているに違いない。火事になりかけたのだから、家を建て直せ」。すさまじい形相でS氏は感情的になってこのような主張を譲らない。
実際には、容量を超える電流が流れて、スイッチ回りの配線が過熱状態になっただけ。炎が上がるほどの熱が発生していたら、スイッチプレートも・・・
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